FXとは

FX(Foreign eXchange)は、投資商品の1つであり、日本語では、外国為替証拠金取引・通貨証拠金取引と言います。証拠金(保証金)を担保にして業者へ預託し、主に差金決済で通貨の売買を行う取引です。

差金決済というのは、現物の受渡しをせず、反対売買の差金のみで決済を行うことです。具体例を挙げると、証券会社の口座に入れてある100万円で株式を100万円分購入し、その日のうちに売却したところ、その金額が105万円だったとします。通常であれば、実際に口座から100万円を引き出して、そして株式を購入し、売却によって得た利益の105万円を再び証券会社の口座へ入れることになるのですが、実際には、これらの行動を起こさずに・・・つまり、証券会社の口座に入っている100万円を動かさずに、株式の売買によって得た5万円だけが増えた状態とするわけです。このように同一銘柄を同一日中に売買する場合であれば、その日、証券会社の口座のお金を1円も動かすことなく、同じ銘柄の売買の差額(差金)のみを儲け、実際の支出を伴わない売買のことを差金決済と言うのです。・・・しかし、投資の世界では、この差金決済は法律で禁止されており、同一銘柄を同一日中に売買することを制限しています。どのように制限されているかというと、「その日に購入した銘柄を、同日に売却した場合はその日は追加購入することができない」「その日に売却した銘柄を再び購入した場合はその日に売却することができない」「先の2つの取引方法で使用した資金以外の買い付け余力があれば、再び取引を行うことができる」です。つまり、その日に売買した銘柄は、同じ資金で再び手を付けることができず、再び取引するためには、その取引で使用していない資金を使用しなければならないということですね。例えば、証券会社の口座に入っている100万円でA会社の株式を100万円分購入し、その日のうちに売却し、105万円を手に入れたとします。ここまでならばOKなのですが、更に105万円でA会社の株式を100万円分購入することはできないのです。もし同じ日のうちにA社の株式を購入したいのであれば、その日の取引で使用した100万円は使わずに、証券口座へ追加入金し、その追加入金した分だけ購入することが可能です。また、儲けた105万円を使うのであれば、A社ではない別会社の株式であれば購入することができます。この差金決済は、FX・CFD取引(差金決済取引)・先物取引などで行われています。

FXは、外国為替を用いた取引です。外国為替とは何か・・・ですが、私たちが住む日本では、通貨は「円」を使用していますが、アメリカ・イギリス・中国・・・と他国では「円」は使用されておらず、その国それぞれの通貨が使用されていますよね。そして、各国によって通貨の価値は異なっています。例えば、日本円と米ドルでいうと、1ドル=1円ではありませんよね。1ドル=100円、1ドル=101円・・・と、通貨の価値は違いますし、また、その価値の差は永久に同じものではなく、変動していきます。「昨日は1ドル=100円だったのに、今日は1ドル=101円になっている」など、その時の景気・世界情勢などで通貨の価値は常に左右され、変化しているのです。

為替で取引を行う場合、わかりやすい数字で単純に考えたならば、1ドル=100円の時に100円でドルを買い、1ドル=101円の時にドルを売ったとすれば、1円が儲かることになります。実際には、もっと大きな金額で取引を行いますから、1ドル=100円の時に100万円で1万ドルを買い、1ドル101円の時に1万ドルを売れば、1万円が儲けとなります。

FXでは、仕組みというか、根本的にはそれと同じなのですが、しかし実際に自己資金の100万円を使って1万ドルを購入するのではなく、証券会社・FX業者などに2万円~5万円ほどの証拠金(保証金)を担保として預けることで、1万ドルの売買をやらせてもらうことになるのです。つまり、1ドル=100円の時、本来ならば100万円がなければ1万ドルを購入することができませが、FX業者などに証拠金を預けることで、手元に100万円がなくても、1万ドルを購入し、それを売買に利用して・・・などと取引することができるということです。先月の為替が1ドル=100円、今月の為替が1ドル=101円で例えると、FX業者へ2万円~5万円の証拠金を預けるだけで、1万円の利益を得ることができるということなのです。逆に、先月の為替が1ドル=100円、今月の為替が1ドル=99円でドルを売ってしまうと、1万円の損失となってしまいます。

この、元手がなくても大きな取引を行うことができ、大きな利益を期待することができる・・・というのが、FX最大の魅力です。為替取引というと、どうしても数十万、数百万・・・といった大きな金額の自己資金がなければ取引できないイメージが強く、実際にその通りではあるのですが、FXは、数十万、数百万を所有していなくても、それ相当の取引をすることができるんですね。日本では、FXは、1998年に外国為替及び外国貿易法が改正されたことで、ダイワフューチャーズ(現在のひまわり証券)・豊商事などの証券会社ががFXの取扱いを始めるようになりました。当時は、ちょうどブロードバンドが普及し始めた頃でもあり、それもあって急速にFXの市場は拡大していったんですね。証券会社・商品先物会社が扱い始めたのはもちろんのこと、FXを専業で取扱う業者(FX業者)も登場するようになりました。そして、最近はFXのブームもやや落ち着いてきましたが、FXは主婦層にかなり人気が高かったんですよね(もちろん、現在でもFX取引を行う主婦は多くいらっしゃいますが)。為替取引と主婦・・・はあまりピンとこないイメージですが、担保として預ける証拠金の額が都合できる金額というのもあって、主婦層でも取引に参加しやすかったことが大きな理由となっています。確かに、数十万、数百万ならば到底無理ですが、2万円~5万円ならば、主婦でも用意できる金額ではありますよね。

FXについて説明する時、言葉だけの説明よりも、実際に数字を出した方が理解しやすいと思うので、また具体例を挙げてしまいますが、1ドル=100円の時に1万円ドルを購入するならば、本来は100万円が必要となります。しかし、FXでは証拠金の2万円~5万円ほどの自己資金で取引することができるので、実際に支払う金額は、証拠金の2万円~5万円のみということになります。FX業者に、担保として証拠金を預けることで100万円を出してもらい、その100万円を使って1万ドルを買うわけですよね?つまり、FX業者に100万円の借金をして1万ドルを購入しているのと同じことになります。なんとなく、自分が1万ドルを所持しているような感覚になってしまいますが、実際には自分のものではありませんし、FX業者から借りた100万円は返さなければなりません。ならば、どのように返すのかというと、その1万ドルを売り、売ったお金で借金を返すことになります。例えば、1ドル=100円の時に、FX業者に5万円を預けて100万円を借り、1万ドルを購入したとします。この時点では、FX業者に100万円の借金をしている状態です。FX取引を行う場合、FX業者に自分名義の口座を開設しますから、その口座に、証拠金として預けている5万円と、借りた100万円で購入した1万ドルが振り込まれます。そして、1ドル=101円になった時に、その口座に入っている1万ドルを売ると、100万で買って101万円で売ったわけですから、儲けとなる1万円だけが振り込まれます。逆に、1ドル=99円の時に1万ドルを売ると、1万円損をしてしまうので、口座に入っている証拠金5万円のうち、1万円が引かれ、口座残高は4万円となるのです。借りた100万円で購入した1万ドルは、FX業者から借りているものですから、その借りている1万ドルはそのままFX業者へ返し、そして、1万ドルを売買することで生じた利益・損失の差額だけが、自分の口座の中で、証拠金も含めてやり取りが行われます。直接、現金や有価証券などの受け渡しは行われず、売買によって発生した差額のみで決済を行うことになり、そしてそれこそが差金決済であり、かつFXの基本となるのです。実際のFX取引では、FX業者の取り分・手数料・スプレッド・・・などが発生するので、そんな単純なものではないのですが、基本的な流れとしてはこんな感じですね。FXは、もし売買で損をしてしまったとしても、その損失が証拠金の範囲内で収まっているのであれば、決して危険な取引ではありません。しかし、証拠金の範囲超えた損失が生じると、その超えた分の金額は本当の意味での借金となってしまいます。

ただ、証拠金の範囲を超えた損失が生じたとしても、実際に完全な借金を背負ってしまうことは滅多にありません。何故ならば、そうなってしまう前にFX業者が自動的に決済を行うからです。FX業者としても、顧客に大きな損失を与えることは避けたいですし、それにFX業者も顧客に貸したお金を回収できないことになりますから、一定の金額まで証拠金が減少してくると、自動的に決済が行われ、顧客が借金を背負う前にFX取引を強制終了させられるのです。

例えば、1ドル=100円で1万ドルを購入した後、為替が、1ドル=98円まで下落したとします。すると2万円の損失が生じますよね。証拠金として4万円を預けていた場合、たとえ2万円の損失があったとしても、まだ証拠金は2万円残っています。その状態で、更に「なんとしてでも儲けを出したい」として、1ドル98円で売ることはせず、そのまま相場が好転することを期待して待ちます。もし相場が好転して、1ドル=101円となれば、損どころが1万円の儲けとなりますが、FX業者のルールとして、「証拠金が50%まで減少した場合は強制決済(ロスカット)される」という決まりが定められているのであれば、自分としてはまだ売る時期を待っていたくても、証拠金が4万円から2万円になった時点(証拠金が50%減となった時点)で、勝手にドルが売られてしまいます。そして、2万円の損失はあったものの、証拠金の範囲内で抑えられ、本当の借金を背負ってしまう前に取引は終了となるのです。

・・・ただ、強制決済が行われるとはいえ、必ず損失が証拠金の範囲内に収まるわけではありません。そう滅多にあることではありませんが、損失が証拠金の範囲を超えてしまう場合もあるんですよね。急激に相場が変化した場合は、自動で行われるはずの強制決済の処理が間に合わず、損失が証拠金の範囲を超えてしまうことも十分にあり得ることですし、土曜日・日曜日・年末年始は為替市場は休みですから、その休みの間に相場に大きな影響を与えるような事件などがあると、休み明けは、休み前の為替とかなりかけ離れた価格から相場がスタートすることになり、本来設定されていた強制決済する価格をはるかに上回って決済してしまうこともあり得るのです。

レバレッジとは

レバレッジは、FXでは、よくテコ(梃子)のようなものだと表現されます。通常、投資を行うためには、ある程度のまとまった資金を持っている必要がありますが、FXは少ない元手…それこそ1万円ほどから始めることができます。少ない元手でも大きな利益を狙うことができるのは、レバレッジという仕組みがあるためです。レバレッジというのは、資金の何倍以上の取引を行うことができる仕組みであり、高いレバレッジをかけることで大きく利益を得ることができます。もちろん、場合によっては大きな損失になることもあります。日本の場合は、このレバレッジは25倍までかけることができるため、例えば元手となる資金が1万円の場合、その25倍の25万円相当の取引を行うことができる…ということですね。

例えば、1ドル=100円の時に、1万ドルを購入しようと思ったら100万円が必要となります。それを50万円の自己資金で購入することができるのならば、2倍のレバレッジが効いている…ということになります。10万円の自己資金ならばレバレッジは10倍、また、極端ではありますが、もし自己資金が100万円ならば、レバレッジは1倍ということです。このレバレッジがあるからこそ、手軽に取引を行うことができ、そしてそれこそがFXの大きな魅力でもあるのですが、ここで勘違いしてしまいそうになるのが、「レバレッジが大きければ大きいほど、得られる利益も大きい。ということは、万が一の損失も大きい。つまり、高いレバレッジ=危ない」という認識です。

レバレッジ1倍とレバレッジ2倍とを比較してみた場合。まず、レバレッジ1倍の場合は、1ドル=100円の時、1万ドルを購入したとします。レバレッジ1倍の自己資金は100万円ですよね。そして、1ドル=99円となれば、1万円損したことになり、1ドル=101円となれば、1万円儲けが出たことになります。もし、1ドル=50円にまでなれば、50万円損したことになり、自己資金の100万円は半分の50万円に減ってしまいます。1ドル=150円になれば、50万円儲けたことになり、自己資金の100万円は150万円…つまり1.5倍に増えます。これが、レバレッジ1倍。外貨預金などは、この仕組みです。

そして、レバレッジ2倍の場合、同じく1ドル=100円の時、1万ドルを購入したとします。レバレッジ2倍ですから、自己資金は50万円です。この場合でも、1ドル=99円となれば、1万円損したことになり、1ドル=101円となれば、1万円儲けが出たことになります。利益と損失の差はレバレッジ1倍と同じです。これもまた同じく、1ドル=50円になると、50万円損したことになりますから、自己資金の50万円から50万円が引かれて、自己資金は0円となります。1ドル=150円になれば、50万円儲けたことになりますから、自己資金は50万円から100万円になります。

つまり、倍率で言うと、レバレッジ1倍の場合は、損失は1/2、利益は1.5倍。レバレッジ2倍の場合は、損失は全額、利益は2倍…ということになります。要するに、レバレッジ2倍は、レバレッジ1倍と比べて、2倍儲けやすくなり、2倍損しやすい…ということになるのです。レバレッジが何倍だろうと、損益に差はありません。しかし、自己資金…証拠金に増減に対する割合は異なり、効かせるレバレッジが大きくなればなるほど、変動率も大きくなっていくのです。単純に言えば、レバレッジが2倍なら、利益が2倍になるけれど、損失も2倍になる。レバレッジが3倍なら、利益が3倍になるけれど、損失も3倍になる。レバレッジが10倍なら、利益が10倍になるけれど、損失も10倍になる…ということです。ちなみに、FXでは、儲けのことをリターン、損失のことをリスクと呼んでいます。レバレッジが大きいほど、ハイリスク・ハイリターンということなんですね。

スワップとは

スワップとは、スワップポイントやスワップ金利と呼ばれることもありますが、FXの運用によって取引する通貨間の金利差を受け取ることを言います。FXでは金利や利子を貰うことはできませんが、その代わりに、通貨同士の金利差を交換するスワップが、実質上の金利となっているんですね。

先ほど、FXは、証券会社やFX業者に借金をして、外国為替の売買をしていると言いましたが、お金を借りているということは、当然そこに利子が発生します。本来、米1ドル=100円の時に1万ドルを購入しようと思ったら100万円が必要ですが、FXの場合は証券会社・FX業者に100万円を借りて1万ドルを購入することになります。そして、購入した時点から、利息が発生することになり、その利息は後で支払う必要があります。これは、証券会社やFX業者に支払う日本円での利息です。一方、1万ドルが手に入ったわけですから、この1万ドルにも利息がかかります。FXでは、利用しているFX業者などで専用の口座を作るのですが、その口座を銀行などの預金口座と同じように考えると判りやすいかと思います。銀行に預金すると、利息がつきますよね?感覚としては、それと同じです。専用口座に1万ドルを預入れることで、その1万ドルを他人へ貸すことができ、そして利息を受け取ることができるわけです。この場合、利用者が受け取るのは米ドルでの利息となります。支払う利息、受け取る利息の2つが存在し、かつ日本円と米ドルの2つの通貨が存在することが判りますよね。当然、日本円と米ドルの金利はそれぞれ違います。そして、その金利差こそがスワップなのです。もし、支払う金利よりも受け取る金利の方が多ければ、その分の利息を受け取ることができます(プラスのスワップ)が、逆に受け取る金利よりも支払う利息の方が多ければ、その分の利息を支払わなければなりません(マイナスのスワップ)

例えば、日本円を調達する際に必要な金利を1%とし、ドルを保有するための金利が3%とします。この場合、1%の金利を支払い、3%の金利を受け取ることが可能ですから、差し引きされた2%がスワップ(プラスのスワップ)となります。1ドル=100円で、1万ドルを保有している場合、円の調達コストとして100万円×1%の1万円、ドルの保有金利の収入が1万ドル×3%で300ドル(3万円)となります。そして、1年間、この円売り・ドル買いのポジションを持ち続けた場合、およそ2万円のスワップを収入として得ることができるわけです。ただ逆に、ドル売り・円買いのポジションを持った場合は、その逆となり、およそ2万円のスワップを支払うことになります。

ちなみに、円売り・ドル買いというのは、日本円を売ってドルを買うということです。これは、円を借入て、ドルで運用を行う…ということになります。円金利を支払って、ドル金利で受け取る…というのと同じ効果ですね。逆にドル売り・円買いならば、ドルを売って円を買い戻すということです。この場合は、ドルを借入て、円で運用する…ということです。これは、ドル金利で支払って、円金利を受け取る…というのと同じ効果となります。そして、ドル金利の方が円金利よりも高い場合は、円売り・ドル買いのポジションはスワップで利益を得ることができ、ドル売り・円買いのポジションである場合はスワップで損をすることになるのです。

このスワップは、日割り計算で計上され、毎日受け取ることができるため、長期運用にも適しています。日本円と外国通貨の金利差に着目し、スワップを求めてFXを行っている方も少なくありません。ただ、スワップは各国の金利が基となりますが、金利は常に変動しています。ですから、常に金利は変化しますし、また、利用する証券会社やFX業者によっても差がありますので、よく比較して、利用する業者を選んで下さい。

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。